『成果を出し続けるための王道SEO対策実践講座』原稿差し替え

新著『王道SEO対策』原稿差し替え

王道SEO対策

2016年4月27日(水)に発売予定の、アンドバリュー株式会社代表の鈴木 良治が執筆しました『成果を出し続けるための王道SEO対策実践講座』において、本書印刷後に行われたGoogleの変更に伴い、Section17のP57、58の2ページの内容に一部変更が生じましたので、本書をご購入の方は以下から対象の原稿をダウンロードして下さい。

『成果を出し続けるための王道SEO対策実践講座』 第3章 Section17 P57-58 差し替え原稿

原稿の差し替えが間に合わなかったことをここにお詫びすると共に、変更の可能性がある指標を採用していた理由と、原稿の修正方針をご説明させて頂きます。

変更の可能性がある指標を採用した理由

変更対象は、PageRankを利用した「競合の強さ」のチェック方法です。
PageRankは、外部リンクの数と質に基づきGoogleが決定する、Webページの重要度を示す指標です。PageRankは今でもGoogleの重要な評価指標となっていますが、本書内でも触れている通り、利用者が確認できるPageRankの値は2013年12月以降更新されておらず、それが、この4月に確認もできなくなってしまいました。それに伴い、PageRankを扱った箇所を変更したのが、今回の原稿の差し替えです。
このような更新されていなかったPageRankを、本書内で指標として採用していたのは、「PageRankに触れる意義」と「利用しやすさ」、そして「無料であること」の3つの理由からです。

本書は初・中級者向けの書籍のため、本書からSEO対策を始められる方が多くいらっしゃることを想定し方法論を作成しております。
そのような方にとって、日本の9割程の検索結果を決める世界最大の検索エンジン、Googleの評価基準の柱で、Googleを世界1にした最大の功労者でもあるPageRankに触れ、それを意識することは非常に重要であり、以後の活動において大きな意味があると判断したのが1つ目の理由です。
公開している値の更新をやめた後もPageRankはGoogleの重要指標であるため、PageRankを模した指標が様々な企業や団体から提供されているので、雛形となるPageRankに慣れておけば、類似の指標に置き換えるだけで同じ手法を使い続けられることも期待されます。

また、最も普及している指標のため、ブラウザを問わずPageRankを確認するためのツールがたくさんあることもPageRankを採用した理由です。本書内では、「競合の強さ」を測るためのツール「ファンキーライバル」も紹介していますが、実際の評価方法も理解するために、手作業での評価方法も提供しており、そこでPageRankを利用していました。
競合の強さを確認するには、1キーワードにつき検索結果の2ページ分にあたる20ページをチェックする必要があるため、作業はできるだけ簡単な必要があります。そこで、ブラウザを問わずページを開いた際に値を確認できるPageRankは、実践の面からも最適な指標であると判断しました。

加えて、SEO対策を専門としてない方でも気軽に実行できるよう、本書では無料で実行できる手法のみの提供にこだわっております。その点からも、PageRankは完全に無料で確認でき、Googleのサービス方針から将来的にも有料になる可能性が低いと推定されたため、適した指標であると判断しました。

対象箇所を修正した際の方針

修正は、極力「PageRankに触れる意義」を残しながら、実際の評価方法を理解できる構成を維持するように行いました。
具体的には、方法論は現在の方法論を維持し、簡単に確認する方法があり、無料でも十分使える指標としてMOZの提供するMozRankをPageRankの代わりに利用する形で修正しました。

MozRankを採用したのは、日本の多くのサイトにも適用されているある程度以上利用範囲の広い指標であると共に、MozRankの説明に「calucurated in a similar fashion to Google’s PageRank(on a logarithmic scale from 1-10).」とあるように、MozRankがGoogleのPageRankを模した指標だからです。そのため、PageRankの代わりに利用しても大きな問題が生じないと共に、MozRankに触れることでPageRankに触れる意義も一部はまかなえると判断しました。
もちろんMozRankとPageRankは完全に一致するものではなく、その算出方法から値が大きくなるに連れ誤差が大きくなる傾向がありますが、PageRank3以下においてはかなり高い相関関係を示します(こちら の上から4つ目の図参照 )。この傾向と、提供している方法がPageRank3以下のみを利用すること、そして判定時のチェック項目の中でPageRankを利用するのが9項目中4項目と5割をきっていることを踏まえると、MozRankとPageRankの誤差は十分許容範囲であると判断しました。ただし、MozRankの値には疑問の残るものも散見されるので、あくまでも参考指標に過ぎないことをご理解ください。

また、MozRankは、MOZが提供するMozBarをブラウザに導入することで、対象のページを開いた際に同時に確認できるようになるので、PageRankと同様の流れで競合をチェックできる点も、代替指標として適していると判断しました。ただし、MozBarは2016年4月21日現在、ChromeとFirefoxでしか提供されていないため、その他のブラウザを利用している方は対象のブラウザをインストールしなければならず、その点はPageRankより使いにくくなってしまいます。

加えて、コストの面に関しても、無料登録をすることで十分な件数を無料でチェックできるようになるので、SEO対策にコストをかけられない方々も利用できる指標であると判断しました。しかし、無料登録が必要であったり、回数が十分あるとは言え、月にチェックできる回数に制限がある点は、PageRankよりは自由度が低くなってしまいます。

Webの変化は早く、多くの方法論がすぐ古くなり使えなくなってしまいます。その中で、本書はできるだけ長く使える方法論の提供に腐心し執筆しました。しかし、その中で利用していた指標がすぐに使えなくなってしまったことは、非常に申し訳なく思っております。
しかし、日々サービスが登場し消えて行くWebの世界では、利用しているサービスやツールが使えなくなってしまうことは往々にしてあることです。そのような中で、今回のように他のサービスを代用するだけで方法論を変えずに利用できたことは、本書が「本質」的な方法論を追求している証であるとも思っております。
読者の方にはご迷惑をおかけし大変申し訳なく思っておりますが、本書では、長く使える考え方や方法論を提供しておりますので、しっかりと読みこんで頂き、内容を隅々まで理解されることが、長く成果をあげるための「王道」になると信じております。

2016年4月22日 鈴木 良治